Daily Archives: 11/11/2012

聴き取りコモドール・ジャパン史

はじめに

10月某日、とある縁から、コモドール社の日本法人コモドール・ジャパンにいらっしゃったマニュアル担当の家田氏と設計担当のN氏に当時のお話を聞く機会を得ました。お二人とも、コモドール・ジャパンがコモドール64およびその後継機種の開発・製造を行っていた時代を記憶されている方です。入社当時は30歳を前後するご年齢だったことをまず、最初にお聞きした時点で、私はふかく感慨の溜息をつきました。

これはその時、お二人よりお聞きした内容を、主には、2010年に発売されたBrian Bagnallによる創業から1984年までのコモドール社の軌跡を追った浩瀚なCommodore: A Company on the Edgeに依拠しつつ、またその時の溜息を反芻しながら再構成したものです。Brian Bagnallは1972年生まれという若さですが、2005年にはこの本の元になったOn the Edge: the Spectacular Rise and Fall of Commodoreを世に問いコモドール研究の先頭にたちました。日本語では彼の別の著書『マインドストーム・プログラミング入門―LEGOでメカトロニクス/ロボティクスを学習する』(原題はProgramming Lego Mindstorms with Java)がCQ出版より翻訳出版されていることをつけくわえておきましょう。

また面談の前後ともに、2003年にVORCで公開された、hally氏による元コモドール・インターナショナル社長補佐マイケル・トムチュク氏(本記事ではMiachael Tomczykと表記)へのメール・インタヴュー「1980年代のコモドールと日本」を参考にさせていただきました。

コモドール64の奏でる音楽、そこに搭載されたSIDチップを通じてコモドールの存在を知った、遅れてきたコモドール・ビギナー Commodore Newbie である私の覚束ない言葉にたいして、家田氏とN氏には始終丁寧に応えていただきました。多大なるご厚意とご寛容にただ、ただ感謝するばかりです。

この記事が「日本におけるコモドール」の記録の一助となることを望みます。

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