Anti-Memoirs: An Experience of Chipmusic in Japan

* This article is written in both English and Japanese. It was initially written for and published on Scene World Issue 24. The original title was ‘For Keeping on Reopening SID Music’. I described the aims of the essay in the post.

* 本文は元々、コモドール64のディスクマガジン『Scene World Magazine』第24号のために書きおろされたものです。発表時のタイトル「For Keeping on Reopening SID Music」を改めてここに再録します。執筆の趣旨等はこちらを参照してください。

 

チップミュージックの研究者とは、はたしてひとつの職業なのだろうか。しかるべき教育を受けておらず、ライターのようなジャーナリストですらない者にとっては、自称するしかない職業、綱渡りで遂行されるひとつの任務だ。Near Future Laboratoryに属するスイスの研究者Nicolas Novaは、著書『8-Bit Reggae』のなかで私をチップミュージック・アーキヴィストと呼んだがこれが今のところ、私にとって唯一の「他称」である。私はむしろひとりの歴史家でありたいと思っている。ひとはいかにして歴史家になるのだろうか。一般化できない問いだ。私にとって、チップミュージックは発見されるべき主題でも対象でもなく、絶えることなく再開される行為であり、動詞である。歴史家の役目とは、未来のために収蔵すべき過去の事物を選定することではなく、現在にその身体をもって律動を刻み続けることで、忘却を巻き込むことではないだろうか。したがって、今から素描するのは、私の身に、私の身体で起こってきたことである。 Continue reading

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Symposium on MOD/Tracked Music at Tokyo University of the Arts

* This article is written in both English and Japanese.

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シンポジウム:音楽ファイルの90年代 ─MOD/Trackerの今日的意義を考える

第一部 トークセッション 13:00~16:30

発表
日高良祐(東京藝術大学大学院)
河野崇(SID Media Lab)
谷口文和(京都精華大学)
田中治久(hally/VORC)

ディスカッション
登壇者+毛利嘉孝(東京藝術大学)

第二部 ライヴパフォーマンス 17:00~19:00

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BUBBLE-B(KARATECHNO)
Omodaka

日時:2015年4月19日(日) 13:00~19:00
場所:東京藝術大学 千住キャンパス 3F スタジオA (東京都足立区千住1-25-1) 地図(Google Maps)
入場無料・申し込み不要(席には限りがあります) Continue reading

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Interview with JEA (SHARPNELSOUND)

Rethinking of Tracker Music in Japan #1 – Interview with JEA (SHARPNELSOUND)

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DJ JEA (SHARPNELSOUND)
Photographed by 菊☆正宗. © 1998-2015 SHARPNELSOUND Official web.

思い返してみると、初めてDJという行為を意識的に行ったのが18歳のときなので今から16年程前のことになります。当時通っていた奈良高専という学校は突然変な所で寛大で、学科の展示として教室クラブイベントをやっていい、ということになったのです。その経緯はぜんぜん忘れてしまったのですが、Project Gabbangelionのメンバーで学祭開催中の2日間の間、当時ハマっていたMODによるDJやCDウォークマン2台によるDJなどを繰り広げたのです。
DJ SHARPNEL (JEA) / SHARPNELSOUND interview (2011年8月27日公開)

SHARPNELSOUNDのDJ JEAへのインタヴューを公開する。

2013年3月のある週末、山口から大阪、京都へと私は向かった。目的のひとつは、3月23日、京都METROで開催されるパーティ「アニメトロ」に東京から招かれたゲストSHARPNELSOUNDのDJ JEA(当日はDJ SHARPNELとして出演)に会うためだった。何のために? 1990年代中期にヨーロッパからもたらされ――そして2000年以降は音楽制作ツールとして急速に忘却されてゆく――「トラッカー・ミュージック」の実践者と証言者としての彼に、話を聞くためだった。

SHARPNELは変名の多いプロジェクトである。その起源は、1996年、JEA、TANIGON、VICSONによって始動したProject Gabbangelionの開始前にまでさかのぼることができる。当時、トラッカーはサンプラーとシーケンサーの一体化したツールとして認知されつつあり、PGはその「利器」を用いたガバMOD(トラッカーの音楽フォーマットの総称)をホームページから世界に発信していた。JEAはPGで提示したアニメサンプリングとハードテクノの融合――オーガナイザーとしてこれまで三度関わったパーティの名に因んで、そのスタイルを「OTAKUSPEEDVIBE」と呼ぶことも間違ってはいまい――を進展させ、1998年、高速音楽隊シャープネルとSRPCシリーズ(名称はCDのカタログ番号に由来)を始動する。この手法は、2001年、SHAPRNELがDJ SHARPNELへと名を変えフェイズを切り替えた後も驚異的な創作力で継続したのだが、一方でその時、JEAはトラッカーに代わるツールを使用し始める。2013年8月、15年続いたSRCPシリーズは、30作目の『OTAKUSPEEDVIBE』をもって完結することが宣言された。本インタヴューはこのように、期せずしてSHAPRNELの転換期を挟むかたちで行われたものである。

当初はMODとトラッカーとの関連でSHARPNELを再発見することを目的としたインタヴューだった。結果として、1990年代後期、パソコン通信とインターネットをベースに、しばしば電気グルーヴをインスピレーシンとして、またしばしばアニメやゲーム、特撮を動力源として日本各地で実践されたユニークなテクノシーンを跡づけるものになった。インタヴュアーの弱点も目立つが、ネットレーベルなる用語が広まる前の、21世紀前夜のユニークな音楽的地図がJEAによって描出されていると断言する。そのなかでMOD/トラッカー・ミュージックが果たした役割に注目していただきたい。

二年間も待たせてしまったKAZ a.k.a.HIGE(彼なくして京都行きはあり得なかった)とJEAの両氏にお詫びと感謝を申し上げる。新たな事実を提供するものではなく、すべては後発者の「あがき」に過ぎないが、註でミュージシャンの言葉と時代の熱気にせめて応えようと試みた。

* * * Continue reading

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Global Klystrack Domination

Summary: I release the Japanese translation of klystrack tutorials written by n00bstar. Klystrack was created by kometbomb, which is the hyper hybrid and eclectic chipmusic tracker for Win/OSX/Linux. Contrary to the appearance, it is not an alternative to AHX, a SID-based chipmusic tracker for Amiga. Rather, it highly sublimates the latter’s original concept, or a synthesis-based music tool inspired by the other vintage machine and sound chip (i.e. Commodore 64 and SID 6581). Klystrack does not refer to one precedent 8-bit machine or sound chip, but implement characteristic features from plural ones (e.g. C64, Amiga, NES, SNES, Atari 8-bit,  and Atari ST) and sound chips (e.g. SID, Paula, POKEY/TIA, YM2149, and OPL2/3). Furthermore, the tool has its wavetable for combining a wave sample with waveforms from oscillators. So it has an ability to make instruments flexibly like MT-32. This tutorials are worthy reading because the author n00bstar, a virtuoso of klystrack, carefully writes each section and option in a humorous manner, as well as deals general-purpose techniques, which are much useful for making music on whatever you select. As kometbomb said, let global klystrack domination begin, and then rock ‘n’ roll the authenticity of chipmusic!

C64/NES/Amigaスタイルの音楽を制作することができる、ハイブリッドなチップチューン・トラッカーklystrackのチュートリアル(n00bstar制作)の翻訳を公開します。

n00bstar – klystrack tutorials 日本語訳
Download from OneDrive or Google Drive


Credit

Writing: James Clark
Copytext: http://n00bstar.blogspot.jp/p/klystrack-tutorials.html
Translation: Takashi Kawano
Thanks to: iLKke (Ilija Melentijevic), kometbomb (Tero Lindeman), maak, and n00bstar (James Clark)

Notes
klytrackをダウンロードする際は、プロジェクト・ページから最新ヴァージョン(2015年2月20日の時点で、1.6.0 r1309)を入手してください。
2年前に書かれたチュートリアルのため、一部の記述は古くなっている点に気をつけてください。現在、n00bstarのブログでチュートリアルの加筆訂正が計画されています。

maakさんによって、公式wikiの翻訳も公開されています。klystrackを使用するための最初のハードルをほぼ取り除けているはずです。ぜひこちらも参照してください。

klystrack wiki 日本語翻訳

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For Keeping on Reopening SID Music

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コモドール64のディスクマガジン、Scene Worldの最新号(#24)にエッセイを寄稿しました。自分にとってこのようなことは初めての経験になります。エッセイのタイトルは「SIDミュージックを再開し続けるために」(For Keeping on Reopening SID Music)といって、「私はいかにしてC64とSIDミュージックの研究にいたったか」というようなことを取りあげています。元となったテーマは、Scene World MagazineのNafcomによって与えられたものです。そのため、日本における1980年代から90年代にかけての、自分のホームコンピュータ経験のルーツにさかのぼって、ふたつのことに対する動機を明確にすることを試みました。また、エッセイのなかでは意図的に、固有名を多数まじえて日本の国産コンピュータ、コンピュータ雑誌、MMLシーンに言及しました。これらのことが、デモシーン、チップミュージック・シーンなどで、その他の言語ではあまり記録されてはいないためです。それゆえ、(主に海外の人にとっては)知られていない事実を多数見つけることができることと思います。同時に、このエッセイはひとりの研究者/歴史家としてのセルフ・ポートレートとなるように書かれました。私が自分の記事を主に、今目にしているこのサイトで発表してきたからです。かなり短いものではありますが、個人的経験を英語に翻訳し、より一般的な文脈に接続することはひじょうにやりがいのあることでした。

I contributed my essay to the latest edition (#24) of Scene World, a Commodore 64 diskmag. To me, it was the very first experience like this. The essay is named For Keeping on Reopening SID Music, which deals with sort of ‘how I got to my research of C64 and SID music’. The original theme was given me by Nafcom of Scene World Magazine. So I tried to clarify my motivation for them back in my roots of home computing experiences from the 80s to the 90s in Japan. Also I mentioned Japanese domestic computers, computer magazines, and the MML (Music Macro Language) scene with lots of proper names on purpose in it. Because these things are not well documented in other languages in the demoscene, the chipmusic scene, and so on. Therefore I think that you will find many unknown facts there. At the same time, the essay was meant to be a self-portrait as a researcher/historian since I have released my articles mainly on the site which you view. Translating my own personal experiences into English and linking them to more common contexts were very challenging although it is really short. I hope you enjoy it.

Thanks to Nafcom and other Scene World Magazine crew.

Scene World #24

Scene World Magazine

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